熱電材料のデータ収集マニュアル

熱電材料のデータを収集するためのマニュアルです。

対応ブラウザ

Chrome, Edge, Firefox, Safari
※Internet Explorerには対応していません。

収集対象論文

1つ以上の温度依存特性(横軸が温度)の図を含む論文が収集対象です。
本マニュアルでは熱電特性を例とし、登録手順を説明します。

X-axisTemperature(K) or Inverse temperature(T/K)
Y-axisSeebeck coefficient
Thermopower
Electrical conductivity
Electrical resistivity (ρ)
(Total) Thermal conductivity
Power factor (P)
ZT
Z
Carrier concentration (density)
Hall coefficient

本マニュアルに掲載されているキャプションや図は、全てオープンアクセス論⽂のものを使⽤しています。
Karati, A., Nagini, M., Ghosh, S. et al. Ti2NiCoSnSb – a new half-Heusler type high-entropy alloy showing simultaneous increase in Seebeck coefficient and
electrical conductivity for thermoelectric applications. Sci Rep 9, 5331 (2019).

Starrydata2にサインイン

Sign Up

“Starrydata 2”にアクスセスします。
https://www.starrydata2.org/


右上の “Sign Up” をクリックし、必要な情報を⼊⼒します。

Databases

ログイン後に既存のデータベースが確認できます。
各データベースの下にデータの収集状況が表⽰されています。

“ThermoelectricMaterials” をクリックし、熱電材料データベースを例にStarrydata2 の概要を説明します。

主要機能

[A1] Library: 全論⽂の表⽰。検索結果の表⽰。“Add Papers”によって My List に登録された書誌情報の表⽰。
[A2] Search papers: Starrydata2 に登録されているデータの検索機能。
[A3] My Lists: 利⽤者によって⾃由に追加編集できる論⽂リスト。
[A4] Add papers from DOI: DOI から書誌情報をインポートする機能。

[a1]登録論文の情報

SID: Starrydata2 での ID。 Identifier: Starrydata2 での識別⼦。
Figure: xx, Sample: yy
すでに登録されている図表と試料の数。“Figure: 0”であればその論⽂のデータは未収集です。

Original paper: 出版社の原論⽂ページへのリンク。
Bibliographic information: 書誌情報へのリンク。
Data: 既登録のデータ及びデータ収集ページへのアクセス。
Print, csv, json: データの出⼒スタイル。

[A2]My Listの作成

”My List”を作成します。“New list”をクリックしリスト名を⼊れるカラムをアクティブにします。リスト名を⼊⼒した後、キーボードの“Enter”キーを押して確定してください。

検索した論文を追加

[A1]論文検索

Title, Author, SID, Journal, DOI を使ってStarrydata2 に登録された全論⽂を検索することができます。キーワードを使って検索することも可能です。検索結果は右側のフィールドに表⽰されます。
論⽂は収集状況によって絞り込むことができます。


all: 全登録論⽂
with data: 既にデータ収集が⾏われた論⽂
without data: データ未収集の論⽂

DOIリストから追加

[A3]DOIリストから論文追加

⾃分で作成した論⽂リストから論⽂を追加
し My List を作成することが可能です。DOI
を”Input a list of DOIs” に貼り付けて“Add
Papers”をクリックします。
エクセルで作成したカラムから複数の DOI を
直接貼り付けることができます。

Library[A1]

DOI に対応した論⽂が右側のフィールドに
表⽰されます。
この操作は DOI の数によって数分かかること
もあります。
全ての DOI について処理が完了すると
“Finished” が表⽰されます。登録エラーの論
⽂は上部に⾚で表⽰されます。

論文の準備

論⽂は PDF は html の形式で準備してください。Starrydata2 には論⽂⾃体を管理する機能はありません。DOI から論⽂を読み込んだ後に “Original paper” をクリックすることで出版社の対象論⽂のページにアクセスすることができます。論⽂のダウンロードに際しては OpenAccess 以外は所属機構のアクセス権が必要です。
Library 機能では書誌情報を管理し、データ収集の進捗を確認することができます。
追加された論⽂は Starrydata2 によって管理されますが、My List は公開されません。

1. My Listへの論文追加

[A1]フィールドに表⽰された論⽂を“My Lists”に登録してみましょう。

Starrydata2 内の検索結果の論⽂・⾃分が DOI から登録した論⽂の両⽅を対象とすることが可能です。1 で作成した My List をアクティブにします。2 で対象としたい論⽂を選択し、3 の Add をクリックすることでこれらの論⽂はMy List に保存されます。

2.”Data”をクリックします。

3. データ収集ページが表示されます。

⼿順の概要:B4 で図から座標データを抽出します。このデータを貼り付け B2 に試料の情報を⼊⼒し
ます。B3 で図が正しくトレースされているか確認します。試料と特性の詳細が登録後に B5 に表⽰さ
れます。

図の選択 [PDF or html file]

4. Listの書誌情報に対応したpdfもしくはhtmlファイルを開きます。

図のスナップショットを撮ります。


ショートカットキー
Mac OS: command + shift + 4
Windows: win + shift + s


以降の⼿順については Youtube でもご確認頂
けます。(1ʻ08)
https://youtu.be/yuyvHGw7-t8

画像読み込み [B4]

5. コピーした図をWebPlotDigitizerに読み込ませます。

直接貼り付けられない場合は⼀度画像として保存した後、WebPlotDigitizer の File から画像を読み込んでください。

Instruction [b4]

6. “2D(x-y)Plot”を選択し、”Align axes”,”Proceed”をクリックします。

注意
以降の⼿順を⾏なっている最中にリロードを⾏うと、WebPlotDigitizer 上のデータは全てリセットされてしまいます。

⼗分に注意してください。

軸の設定 [B4]

7. 軸の設定を行います。

前画⾯で表⽰されたx1, x2, y1, y2 の順に各軸でキリの良い数字をクリックします。これが抽出する数値の基準となるので正確に設定して下さい。


右上に拡⼤図が表⽰され、キーボードの⽮印キーで微調整が可能です。終わったら“Complete”をクリックし、各基準点に対応した数字を⼊⼒します。対数の場合は対数のボックスにチェックを⼊れて下さい。

データセットの作成 [b4]

8. データセットを作成します。

1 の“Datasets”,2 の“Add dataset”の順にクリックします。図中の試料の数を 3 の“Count:” に⼊⼒し、“Add multiple datasets”をクリックするとデータセットが作成されます。


データセットの数は以降の⼿順でも追加・削除することができます。

データ点のトレース [b4]

9. データ点をトレースします。

⼀番上のデータセットを選択すると、データ点を指定できるようになります。試料ごとのデータ点をクリックしていくとデータセットに座標が保存されていきます。


⼀つの試料についての登録が終わったら、次のデータセットをクリックし同様にデータ点をクリックしていきます。


より効率的なトレースについては以下の動画を参照して下さい。
https://automeris.io/WebPlotDigitizer/ (Short)
https://youtu.be/P7GbGdMvopU (Full)

図情報フィールドのアクティブ化 [b2]

10. データを登録するために編集モードにします。

[Edit]をクリックすると背景が⻘に変わり、編集が可能になります。
[Figure name] に 4a, 4(a)などの図の名前を⼊⼒し、“Enter”キーを押すことで確定します。(以降変更不可)同⼀論⽂中では同じ名前の“Figure Name”を再度使うことはできません。

11. 試料情報を入力します。

Caption:図に記載されている説明をコピーし貼り付けます。

SampleName:試料名を⼊⼒します。同⼀試料を他の図でも使⽤している場合には同⼀のSampleName に登録する必要があります。 ⼊⼒後“Enter”キーを押すことで確定します。

Composition:化学式を⼊⼒します。1-x 等で換算が必要なものについては換算後の化学式を⼊⼒し
て下さい。
SampleName と Composition は⼀対⼀で対応している必要があります. Composition か SampleName の⼀⽅を変更し登録を⾏うと上書きされてしまうため注意して下さい。SampleName と Composition に⼊⼒した情報は後で編集することが可能です。

Property (x, y):図内の特性をドロップダウンリストから選択します。


Unit (x,y)*:図内の特性の単位をドロップダウンリストから選択します。冪乗がある場合はここで⼊⼒
します。

注意 :
< > “ ‘ &の 5 つの⽂字と、“Ω”, “µ”などの特殊⽂字は登録できません。
適宜削除し、“ommega”や “mu”アルファベットに置き換えて下さい。記載された単位がドロップダウンリストに⾒つからない場合、新しい単位を登録することができま す。この際、他の表⽰法で同じ単位が登録されていないかをよく確認した上での登録をお願いします。
登録された単位は全てのユーザーで共有されます。
登録は Unit に新しい単位を⼊⼒し “Enter” キーを押して確定します。

Procedure of this section is available on YouTube. (0:50)
https://youtu.be/9LFXtAHlNnU

取得情報のコピー [b4]

12.トレースしたデータをコピーします。

データセットをクリックすると 座標化されたデータ点が“Acquired data”として表⽰されます。


“Copy to Clipboard”をクリックしデータをコ
ピーします。

コピーデータの貼り付け [b4]

13. xy-Valueにコピーしたデータを貼り付けます。

13. でコピーしたデータを“XY-value”に貼り付けます。
(ショートカットキー:command or ctrl + v)

14. 可視化エリアに反映されていることを確認します。

貼り付けられた座標情報は、[B3]の可視化エリアに反映されます。
実際の図とトレースされた点が対応していることを確認します。

15. “save”し、情報を登録します。

全てのカラムに情報が⼊⼒され、読み込んだ図が右側のプロットと対応していることを確認したら、“Save”をクリックし情報を登録します。
登録されると[B5]に図の詳細や試料情報が表⽰されます。


⼿順 13 に戻り全ての試料に対し同様の作業を⾏います。
各試料を登録するごとにデータが更新されていくので、最後の試料登録後は、そのまま次の図(⼿順 4 より)、もしくは次の論⽂(⼿順 2 より)の登録に移れます。

付録:試料情報の記載⽅法(暫定)

Starrydata において最も難しく、かつ重要な作業は試料情報記⼊です。
論⽂の本⽂を読んで、試料の製法を理解したうえで、それを分類し、詳細を英語で記⼊します。

Form 試料形態

Single Crystal単結晶
Bulkバルク(多結晶など)
Oriented Bulk多結晶配向体
Epitaxial Filmエピタキシャル薄膜
Film薄膜
Ribbonリボン
Wireワイヤー/チューブ
Deviceデバイス(ナノテク系)
Moduleモジュール
Otherその他
unknown不明

Fabrication Process 最終合成プロセス

プルダウンからは、試料の特性に⼤きく影響していると考えられる合成プロセスをおおまかに選んでください。

試料の特性に最も影響するのは、最後の合成プロセスであることが多いと思いますので、もしわからなければ最後のプロセスを選んでください。
(例:アークメルト合成→粉砕→SPS 焼結の場合は、Pressure Sintering)

Melt Growth溶融体からの結晶成⻑ブリッジマン法
チョクラルスキー法
溶融凝固
FZ 法
⽅向凝固法
Flux Growth(組成の違う)液体中での結晶成⻑フラックス法
⾃⼰フラックス法
Vapor Growth気相中での結晶成⻑Vapor Transport 法など
Film Growth薄膜成⻑スパッタリング
PLD
MBE
CVD   など
Melting溶融法
アークメルト法
⾼周波加熱炉   など
Melt Quench液体急冷法マルチアンビル
ダイヤモンドアンビル
High Pressure Synthesis⾼圧合成(GPa レベル)SPS
ホットプレス
静⽔圧プレス
(静⽔圧は等⽅的圧⼒という意味なので、⽔熱合成とは違う)
Pressure Sinteringプレス焼結(MPa レベル)電気炉など
Sintering焼結(常圧・融点以下での熱処理)常温のボールミルだけで加熱せずに合成が完了
するもの
Mechanical Alloyingメカニカルアロイング錯体重合法など
Soft Chemical溶液法(⽔溶液を加熱焼結)⾼温・⾼圧の⽔中での合成
Hydrothermal⽔熱合成
ソルボサーマル
Organic有機合成(有機物から出発するもの)
Otherその他
unknown不明

Electrical Measurement 電気的測定

Steady State+4PS: 定常法, σ: 四端⼦法通常の熱電特性測定装置
(ULVAC/アドバンス理⼯の ZEM3)など
Steady State+2PS: 定常法, σ: ⼆端⼦法ディスク法など
Steady State+vdPS: 定常法, σ: van der Pauw 法S:単独測定、σ:ホール係数との同時測定など
Harmanハーマン法(S、σ、κ の同時測定)
PPMS-TTOThermal Transport Option など
(Quantum Design 社 Physical Property Measurement System)
Micro Probeマイクロプローブ法(スキャン)熱電特性マッピングなど
Otherその他
unknown不明

ThermalMeasurement 熱伝導率測定

Laser Flash+DSCレーザーフラッシュ(⽐熱は DSC)
Laser Flash+3Rレーザーフラッシュ(⽐熱は Dulong-Petit 則)
Laser Flashレーザーフラッシュ
Harmanハーマン法(S、σ、κ の同時測定)
PPMS-TTOThermal Transport Option など
(Quantum Design 社 Physical Property Measurement System)
Discディスク法
3omega 3ω 法ナノワイヤーの測定など
Thermo Reflectanceサーモリフレクタンス法
Kph(RT)+Kel(WF) 室室温の格⼦熱伝導率+WF 則
Otherその他
unknown不明

Purity 純度

Single Phase単相
Main Phase不純物はあるが主相
Precipitates粒内析出物が形成
Eutectic Composite共晶組織の複合材料
Metal Composite⾦属との複合材料
Composite⾦属以外との複合材料
Otherその他
unknown不明